はじめに
原価計算とは何かについて簡単に解説したいと思います。
原価計算とは
原価計算とは、簡単にいうと製品の製造にかかった費用を計算するものです。原価計算基準という会計基準が存在します。
原価は1販売単位毎に計算されます。簡単な例で、10個の製品の製造に掛かった費用が100円ですと、1個当たりの原価は100円÷10個=10円になります。(実際には共通費を様々な製品に配賦したり、部品の数が数万点に及んだりすることがあり、実務での原価計算は非常に煩雑です。)
期中に販売された製品の原価は費用として売上原価に、未販売分の製品の原価は資産として商品に計上されます。また、製造途中のものについては、資産として仕掛品に計上されます。
製造原価に含まれる費用
原価に含まれるものとしては、金属や化学物質の購入費などの材料費、製造に関わった人の労務費、工場建物や機械装置の減価償却費や電気料などの経費があります。
機械装置の減価償却費などの、製造数に関わらず発生する費用を固定費と呼びます。製造数が多いほど、1個当たりの固定費は小さくなります。
ペットボトルの水の販売価格について、2リットル入りよりも容量が少ない500ミリリットル入りより方が高いことがあり、不思議に感じることがあると思います。500ml入りの水の方が生産量が少なく、固定費が多く掛かっていることが推測できます。(実際のところは分かりませんが。)
原価計算の基礎は日商簿記検定2級の範囲となっています。
おわりに
本記事では、財務諸表作成目的の原価計算(制度会計)を紹介しました。しかし、商品の価格決定や設備投資を行う際には、原価計算基準では、原価に含めなかった費用(支払利息や研究開発費等)も考慮する必要があります。