簿記の基礎①(貸借対照表を初めに理解する)

始めに

簿記の解説記事を記載したいと思います。簿記の基礎知識が身に付くよう、一連の記事にしていきたいと思います。会計学の用語の説明もできる限り噛み砕きます。

一般的な簿記の解説では、資産の+は借方、費用の+は借方…といったことを暗記するよう指示されると思います。この記事では、貸借対照表と損益計算書の関係を明確にし、暗記ではなく、できる限り理解から覚えられるよう解説していきます。ですので、簿記学習の始めで躓いた方も、ご一読いただけると幸いです。

貸借対照表とは

貸借対照表とは一時点の会社(個人事業であれば事業)の資産や負債の状況を表すものです。貸借対照表の構成要素は、資産負債及び資本です。

このうち、資本が日常生活では登場せず、馴染みが薄いと思います。前提として、会社や個人事業では、出資者(株式会社であれば株主)が何かしらの資産を出資し、運用することで利益を生み出します。この出資分を資本と呼びます。

  • 資産=自社が保有するもの
  • 負債=他人に返す義務があるなど、将来、自社から出資者以外に対しお金が出ていくもの
  • 資本=純粋な自社の資産(資産-負債)で出資者の持分

例えば、株主が70円を会社に出資し、また、会社が借金を30円したとします。いずれも預金で入金されたとします。そうすると、貸借対照表は次のとおりとなります。

【資産】預金 100円 【負債】借入金 30円
【資本】    70円
計 100円 計 100円

右側と左側の合計金額は必ず一致します。

資産は右側、負債及び資本は左側に記載するのがルールです。右側を借方、左側を貸方と呼びます。これだけは理屈ではないので覚えて下さい。

貸借対照表の貸方は、資産の調達源泉を表していると言われます。ただし、資産と負債・資本が個別に紐づいているわけではないことに注意が必要です。