賃金請求事件において弁護士預り金口座に振込ませることについて

賃金請求事件において、相手方である雇用者に対して未払賃金を弁護士預り金口座に振込ませるのは労働基準法24条に抵触しないか、素朴に疑問に思っています。

参考:労働基準法24条1項 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、…

労働基準法24条違反に対しては罰則規定もあります(同法120条1項)。

弁護士預り金口座に振込ませるのは、弁護士が依頼者からの報酬の回収を確実にするのが主目的かと思います。しかし、判決や労働審判の確定で支払われる場合には弁護士預り金口座には振り込まれないわけですし、労働基準法24条の例外を認める合理的な理由はないと思います。

ですので、チキンな私は賃金請求事件では依頼者の口座に直接振り込ませるようにしています。雇用者側から相談を受けても、依頼者の口座に振込むよう助言すると思います。

ただ、労働審判で調停する場合に弁護士預り金口座に振込ませる内容となることもあるようなので、一般的な考えではないかもしれません。