少し前に、訪問型の保険営業を受けました。その際に気になった点を記事にしたいと思います。営業では、外貨建て貯蓄型商品の加入を勧められました。
貯蓄型保険は、一定期間加入し続ければ元本が確保される商品が多く、堅実に資産を増やすことができます。利率も定期預金に比べれば良いです。また、仮に保険会社が破綻しても、生命保険契約者保護機構による保護を受けることで、大きく資産が減少する可能性は低いです。
加えて、人口減少により日本経済が縮小し、円安が進むと予想する人にとっては、将来、外貨が受け取れる商品は魅力です。
営業では、このようなメリットとともに、デメリットとして、円高が進むと損をしてしまうおそれがあることが説明されました。
しかし、インフレリスクの説明がありませんでした。私が小学生の頃は、週刊少年ジャンプが180円~190 円で購入できたのに、現在では300円近くの値段となっています。このように、物価が上昇する可能性があります。そのため、保険金として受け取れるお金の価値が、実質的には、払込時のお金の価値よりも低下してしまう可能性があります。インフレが進むと、一般的には、株式や不動産の価格が上昇するため、これらを直接購入したり、これらを含む投資信託等を購入しておくことでインフレリスクが回避可能です。
また、保険金を受け取る際の税金の説明もありませんでした。
当然、デフレリスクもありますし、株式や不動産は様々な要因で価格が変動するため、これらに関連した商品はリスクが大きい商品になります。そのため、貯蓄型保険による投資を選ぶのも良い選択だと思います。
ただ、将来のことは分からないので、長期資産運用をする際には、多様な商品を組み合わせるのが推奨されます。しかし、保険の営業員は自社の商品を販売することに主眼を置くため、他の金融商品の説明はしてくれません。預金のままで放置しておくよりかは、貯蓄型保険に加入した方がお金が増える可能性が高いため、保険の営業員の説明を受けると、他の金融商品を調べずに、多額の保険に加入してしまう方もいると思います。
資産運用に正解はありません。ただ、多額の保険に加入する際には、自分で他の金融商品の内容やリスクを調べて比較してみたり、第三者の立場にいるファイナンシャル・プランナーに相談してみることをお勧めします。