中央大学法学部の都心回帰について

はじめに

中央大学法学部が2023年に多摩から茗荷谷(文京区)に移転するようですので、思うところを記事にします。

同学部のキャンパスを都心に移転するメリットとして、他大学関係者との交流機会が増えることや、企業へのインターンに参加し易くなること等が挙げられると思います。ただ、個人的には、以下に述べるデメリットの方が、メリットよりも大きいと感じています。

法学部の都心移転のデメリット

総合大学としての意義が失われる

複雑化した現代社会で活躍するためには、幅広い教養や異文化に対する理解力・コミュニケーション能力が必要となります。これらは法学を学んだだけでは身に付かず、他学部の授業を履修したり、他学部の学生とコミュニケーションを図ることで養えるものだと思います。

しかし、法学部のみ移転すると、他学部の授業の履修は困難になりますし、サークル活動等により、他学部の学生と接する機会も著しく減少してしまうと思います。他分野の図書に触れる機会も減ってしまいます。

また、他学部の学生にも法学に触れる機会を与えるべきです。

かつてのように、司法試験合格が大きなステータスとなっていた時代とは異なる現代において、法学のみに力を入れる教育が魅力的とは思いません。

学習環境が悪くなる

都心は遊びの誘惑が多く、学生の本分である勉学が疎かになってしまうおそれがあります。これに対し、多摩キャンパスは山に囲まれており、遊びの誘惑が少なく、学習に集中できます。その結果として、大学入学時の学力と比べ、卒業時の能力が高くなり易い環境だと思います。

都心にキャンパスを移転すると、大学は遊ぶところであると勘違いしている学生が多く入学してくるおそれがあります。

また、インターネットが発達した現代においては、立地により、情報にアクセスする機会が限定されることは減っていると考えられます。

体育競技部が弱体化する

中央大学の体育館や、陸上競技場、野球場、プール等の体育施設は多摩キャンパスに集中しています。体育競技部に所属する学生が、これらの施設での練習と茗荷谷キャンパスでの講義の受講を両立するには、多摩と茗荷谷を行き来しなければならず、時間と体力の大きなロスが生じてしまいます。その結果、体育競技部の弱体化が進む可能性があると思います。

おわりに

過去の栄光にすがるのは辞めて、時代の変化に合わせた方がいいと思います。なお、私は中央大学法学部の出身者ではなく、詳細は知らないのでご留意ください。