日商簿記検定の合格を履歴書に書くなら2級からという意見を目にすることがありますが、3級を履歴書に記載すべきかに否かついての私見を述べたいと思います。会社によって事情は異なると思いますし、私は人事や採用に携わったことはないので、あくまで一意見として捉えていただければと思います。
結論から述べますと、大企業の経理への転職を目指す場合や商学部・経営学部卒でない限りは、3級から履歴書に記載すべきと考えられます。
中小企業であれば、3級でも実務で十分に通用すると思います。実務経験も重要だとは思いますが、ルールをきちんと理解していれば実務の飲み込みは早いですし、3級程度の知識でも評価は高いと思います。
大企業の経理で働く場合や商学部・経営学部を卒業の方は、2級程度の知識を持っていることが当然となることも多いため、3級を履歴書に書くと知識不足を疑われてしまう可能性があります。ただ、面接の際に3級より高度の知識を有していることを示すことができるのであれば、3級から記載してもいいと思います。
営業など、経理以外の職種でも、簿記の知識は評価されると思います。簿記の知識があれば得意先の財務状況を把握することができます。
また、財務諸表を正確に作成するには、取引の進行状況や契約情報、法的紛争リスク等の情報が必要となり、経理部以外の部署の協力が不可欠となります。会計の基礎知識がないと、経理部に伝達する情報が不足したり、不正確となってしまうおそれがあります。管理職であれば、なおさら会計の知識が必要になります。
経理部以外は会計の知識は不要と考えているような会社は、法令遵守や内部統制に対する意識も低く、優良な会社でないと推定されます。そのため、簿記の知識を評価しないような会社はできる限り避けた方がいいと思います。(極端な考えのような気もしますが。)
このように、3級でも十分に就職・転職に役立つと思うので、簿記の知識がない方は、まずは3級の勉強から始めてみましょう。